こどもと歩く大阪散歩ノート

先日10月19日に、2008年にノーベル化学賞を受賞された、下村脩教授がお亡くなりになったという報道がありました。

実は去年、下村教授が名誉館長を務めておられた長崎県佐世保市の『九十九島水族館』に行ってきました。

画像引用:九十九島水族館

チビの小学校卒業の記念旅行で、私とチビと私の父の3人で長崎に行ってきた際、ふらりと思い付きで立ち寄ったのですが

その際、水族館内の『クラゲ研究室』で、下村教授の生い立ちや人となり・研究内容やその功績に詳しく触れる機会がありました。

訪れたのは単なる偶然なのか、何かのフラグ(予兆)だったのか、それは分かりませんが、下村教授コーナーにあった数々の学びやメッセージが、去年の我が家の一大事を乗り切るための心の支えになってくれました。

そんなこともあり、教授の訃報のニュースを見て、個人的に大変悲しく残念に思うと同時に、ものすごい感謝の気持ちが湧き上がってきました。

本来であれば、去年のうちに旅行記を書きたかったのですが、去年旅行から帰って中学校に入学した途端、子供にも私にも色んなことが起こり、旅行記を書く機会を逸してしまっていました。

前回の記事では、ハウステンボス、今回の記事では九十九島水族館に触れることになったということは、今からでもいいから長崎旅行記に着手せよと、何かに背中を押された気がします。(←自己都合解釈www)

ということで、今日は九十九島水族館内にあるクラゲ研究室と、展示されていた下村教授のメッセージ色紙を中心にご紹介します。

ちょっと記事が長くなるので、水族館全体のご紹介は、次回記事にしたいと思いますが、どうぞご了承ください。

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九十九島水族館のクラゲ・コーナー

長崎県・佐世保にある九十九島水族館は、私たちが宿泊したハウステンボスからバスで30分ぐらいの距離にありました。

訪れた日は曇り時々雨、そして春にしては激寒という、あいにくのお天気。春休みの平日だったので人が少なくて、ゆっくり見学できました。

画像引用:九十九島水族館

九十九島水族館は、全国にある水族館の中でも比較的コンパクトな広さなのですが、その中でも地下1階・地上2階建ての円形棟が丸ごと、クラゲコーナーになっています。

1階と2階は吹き抜け構造になっていて、『クラゲシンフォニードーム』という、映像や音楽を楽しめる癒しコーナーと、西日本最大級といわれるクラゲ展示コーナーになってます。

ここでは、九十九島周辺で確認されている、100種類以上のクラゲが展示されているそうです。

脳みそがあるわけでもなく、心臓があるわけでもなく、だたフワフワと漂うクラゲ・・・。不思議だなぁ~。

じっと見ていると、黄、黄緑、オレンジ、赤、と、ネオン看板のように点滅して、色が変わっていきます。

クラゲって、一体どうして、何のために光ってるんだろう・・・。不思議づくしのクラゲたち。

クラゲが光る理由は、まだ完全に解明されていないのですが、一説では「(繁殖のため)仲間を識別するため」「捕食者に食べられないため」などの理由があるそうです。

・・・、えっ?仲間を探したり、捕食者から身を守りたいってことは、クラゲって、回りが見えてるし、色々考えてる(?)んじゃん!う~ん、なぞは深まる・・・

「目で見て、脳で考える」ことが常識になっていると、目や脳がなかったら、見えてないし考えてないように感じてしまいますが、人間の常識では理解できない仕組みで生きているんですね。

で、先ほどの画像にもあった、赤やオレンジに光るクラゲとは違って、青と緑に光るクラゲ、それが「オワンクラゲ」で、この「オワンクラゲ」の発光の仕組みを解明し、発光物質を発見したのが下村脩教授です。

水族館には、生きているオワンクラゲがいませんでしたので、ウィキペディアから画像をお借りしました。

九十九島水族館のクラゲ研究室

地下一階には『クラゲ研究室』というコーナーがあり、九十九島周辺のクラゲの調査・研究・繁殖などが行われています。

私達が立ち寄った時は、ラボの中には誰もいなかったのですが、時期によっては、人が作業をしているシーンを見ることもできるようです。

画像引用:九十九島水族館

ビーカーの中のクラゲの赤ちゃん、すごくかわいかったので写真を撮ったのですが、小さすぎたのか、全部ピンボケで全滅でしたw

水族館内に展示されているクラゲたちの多くは、この研究室で生まれ育った仔たちなんだそうですよ。

そして、『下村博士研究コーナー』はそんなクラゲ研究室コーナーの一角にありました。

下村博士の研究とその歩みについて

画像引用:九十九島水族館

下村脩教授は、1928年(昭和3年)生まれ。

長崎県諫早市の勤労学生をしていた16歳の時、爆心地から12キロ離れた工場で原爆を体験されました。(毎日新聞情報によると12キロ、ウィキペディアによると20キロ。)

戦時中は勤労動員のため、そして終戦後は原爆後の混乱のため、全く勉強ができず、その後も3年近く浪人生活を送ります。

元々、薬学志望ではなかったのですが、長崎医科大学付属薬学専門部(現・長崎大学薬学部)の仮校舎が自宅の近くにたまたまできたのをきっかけに、入学。

しかしその仮校舎でも、設備や環境が全然整っていなかったため、ほとんど満足な勉強ができなかったそうです。

集中して勉強できる環境になったのは、名古屋大学の研究室に移ってからなんだそうで、それが1955年(27歳の時)でした。

ということは、ざっくりですが、中学生だった10代前半から20代半ばまで、ほとんど、まともに落ち着いて勉強ができなかったことになります。

でもその後、「発光生物の研究」という一つのテーマに取り組み続け、青色に光るために必要な物質・カルシウム感受性発光タンパク質(イクオリン)、そして、緑色に光るために必要な物質・緑色蛍光タンパク質(GFP)を発見・精製しました。

これらの2つの物質を発見するまでには、何十万匹もクラゲを捕まえて、クラゲの傘のふちにある発光器を切り取って精製するという、根気のいる作業が必要だったそうです。

水族館のボードには、GFPを発見してオワンクラゲの発光の仕組みを解明するまでに、18年分貯め続けたクラゲの抽出物が必要だったと書いてありました。

まず、すごいのは、ノーベル賞を受賞されるような先生なのに、戦中・戦後の混乱期の中、ほとんど勉強できない状態にあったこと。

その後、「クラゲはなぜ光るのか」という疑問を持ちつづけ、生涯の研究テーマとして根気強く取り組まれたこと。

あと、ビックリ・エピソードとしては、大学卒業後、T田薬品工業で「あなたは会社員に向いてない」と言われ、就職面接に落ちたそうです(驚)

就職面接に落ちたおかげで、大学に戻って研究生活に入られたわけですが、「会社員に向いていない」というのは、いい意味で本当だったんだなぁ~と思いました。

日本人でノーベル賞を受賞される先生は、東大・京大出身の方が殆どなのですが、「『いい学校に行かなかったから、いい研究ができなかった』なんてそんな考え方はやめてほしい」と、下村教授はインタビューでおっしゃっています。

つまり、「いい学校に行けなかった」とか「時間がなかった」とか「設備や環境が整っていない」というのは、必ずしも夢をかなえるための障害になるとは限らない、ということを身をもって証明されたということになります。

下村脩教授が一貫して子供たちに発信し続けたメッセージ

下村さんは、ノーベル賞の講演でも、マスコミの取材やイベントでも、一貫して「興味をもったことはどんどんやったらいい」「一度始めたら決してあきらめてはいけない」と繰り返し発言しておられました。

朝日新聞のインタビューでは、子育てについて以下のように述べられています。

「子どもにはどんどん興味を募らせてあげなさい。興味があるうちにやらせなさい。そして子どもがやり始めたら、やめさせたらだめです」

引用:朝日新聞DIGITAL『「やり始めたら、やめたらダメよ」下村さん、子たちへ』

下村さんのオワンクラゲの発光メカニズムの解明は、ただただご自身が持たれた疑問を一生懸命解明していたら、それが偉大な発見につながったという・・・

将来、医療分野になくてはならない物質の発見につながるとは、ご本人も含めて誰も考えなかったそうです。

去年『ヘリックス・黒い遺伝子』というアメリカのドラマを見た時、下村さんの発見したオワンクラゲの蛍光物質を使って、ウイルス(菌?)の感染状況を調べる方法を実験するシーンがありました。

(新しい病気が蔓延して、感染を調べる検査薬が未完成で、感染しているかどうか判定しやすくするため色々試行錯誤するというストーリー設定)

たまたまこのドラマを見て、「なるほど、人間の目で見えなかったものを見えるようにしてくれるものなのか」とイメージできたとともに、医学賞受賞の可能性もあったのは、こういうことかと納得しました。

(『ヘリックス』参考のためにリンクを貼りましたが、シーズン2で打ち切りになってしまって、伏線を回収しないまま色々未解決でモヤモヤだけが残ったので、お金を払ってまで見るのは正直おススメしないです(激汗)あ、真田広之さんのファンの方は見てもいいかもですwww)

生い立ちだけ聞くと、すごくパワフルで豪胆な方のような感じがするんですが、「決してあきらめない」という直筆の色紙の文字は、パワフルで豪胆な筆跡ではなく、むしろ控えめで優しい筆跡でした。

この一枚のシンプルな色紙が、なぜか不思議と心に響きました。

あと余談ですが、下村教授のお写真を拝見すると、すごく背が高い!ウィキペディアによると、182センチもあるそうです。(それに、とっても上品でダンディ)

行く学校がなくて浪人していたら近所にたまたま学校ができて、その大学の先生の紹介で名古屋に行くことになり、名古屋からアメリカに行くことにもなるという、直観やご縁など、目に見えなものも大切にする自然体なお人柄がお写真からうかがえました。

九十九島水族館のホームページにも、お悔やみの言葉がアップされていましたが、やはり下村教授のお言葉や研究の歩みは、来館者さんを勇気づけるものだったようです。

突然の訃報に接し、哀悼の意を表します。

下村先生は当館の名誉館長にご就任いただき、度々、ご夫婦で仲良くご訪問いただいておりました。
当館には先生の書籍や文献などを賜り、展示に関するアドバイスも頂いておりました。
また先生ご自身が書かれた「決してあきらめない」というお言葉の色紙を展示させていただいており、スタッフや訪れる多くのお客様を勇気づけていただいておりました。

西海国立公園九十九島水族館スタッフ一同、生前のご功績に敬意を表し、これまでのご支援、ご指導に心より感謝いたしまして、喪心よりご冥福をお祈り申し上げます。

平成30年10月22日 西海国立公園九十九島水族館

転載:九十九島水族館「お知らせ」

うちのチビは、一つのことを始めたらほかのことはおろそかになるタイプ(ただしその「一つ」の完成度はすごいw)で、性格的にも普通の社会人に向いてないのは明らかで、私はずっと、チビの行く末を心の中で心配していたんですがw

下村教授みたいに、一つ何か興味のあることを見つけてそこに集中して、将来、生きる希望を見つけてくれたら、ハンデだと思っていた個性も「ただの一個性」になる時がくるかもしれないなぁ~と、小さな希望が湧いてきました。(本人曰く、今、生きる希望を失ってるらしいので(汗))

戦争や原爆で自分の思い通りの生き方ができなかった時代に比べたら、ずいぶん生きやすい世の中になってきているとは思いますが、昔とはまた違う生きづらさがあるのが今の世の中かと思います。

一つのことを生涯を通してコツコツと成し遂げた偉大な研究者・下村教授の「決してあきらめない」というアドバイスを、これからも心のどこかにとどめおきたいなと思いました。

最後まで読んで下さりありがとうございます。 この記事が何かのお役に立てたら幸いです!
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コメントありがとうございます!

コメント

  1. こんにちは!

    くらげって不思議ですよね。
    プカプカと浮いて…沈んで…。
    脳がないのに、、どうやって、動くんでしょうね。
    体が覚えてるんですかねw
    ふとコメント書きながら疑問におもっちゃいました。

    >ずいぶん生きやすい世の中になってきているとは思いますが、昔とはまた違う生きづらさがあるのが今の世の中かと思います。
    その通りですよね。
    いつの時代が幸せかって、わかりませんよね。
    って大河見ながら思いますww

    • たたとあさん、こんばんは!

      >ふとコメント書きながら疑問におもっちゃいました。

      そうでしょ?やっぱり不思議に思いますよね。
      心臓もないし、血液もないし、脳もないし・・・

      一応、神経はあるので動けるらしいんですが
      子孫を残したいとか、生き延びたいとか
      そういうのは、どこで考えてるのかなぁ~と…

      >いつの時代が幸せかって、わかりませんよね。

      そうですよね、ほんとうに・・・

      >って大河見ながら思いますww

      今年の大河、幕末への苦手意識から
      録画がたまりまくってますwww

      あと数回で最終回ですよね。
      早く続き見なくちゃ!(焦)

  2. こんにちは。。

    今回の九十九島水族館の名誉館長が下村先生なんですか。。
    クラゲの生態を水族館のウリにしているところ、もしかしたら今ではけっこうあるのではと思うのですが、うーん、、ココが本家本元ですね^^

    先日の訃報があって、私もテレビ番組や新聞などで、チラっとですけど下村先生について知ることができましたけど、『決してあきらめない』は、先生の魂からの言霊ですね、今や。。。
    ただ、その前段階で、いったいナニに対して興味をもつのか、もつべきなのかも大切になってくると思います。。私もですけど、意外にそういうモノがみつからず、のほほんと社会人になってしまう方、多いと思いますので。。

    それにしても、下村先生は「会社員には向いてない」と面接でいわれたんですね^^ 

    • コスモさん、こんばんは♪

      最近、クラゲって人気ですよね。
      うちの田舎の県にも、クラゲの水族館があります。

      昔は、クラゲの飼育とか繁殖は難しかったらしいんですが
      ノウハウが蓄積されてきているのかもしれませんね。

      >その前段階で、いったいナニに対して興味をもつのか
      >もつべきなのかも大切になってくると思います。

      そうなんですよね。
      私も、一生をかけたい夢とか興味とか
      見つけられないまま、この年になってしまいました(笑)

      おそらくそういう人がすごく多いので
      下村先生は、子供向けのイベントや講演会で
      繰り返し「続けること」「諦めないこと」を
      発信し続けておられたのかもしれません。

      >下村先生は「会社員には向いてない」と面接でいわれたんですね^^

      会社員になりたくないな~という本音が
      面接で態度に出てしまっていたそうですwww(ご本人談)

      ピュアで真っすぐな方なんだなぁ~と思いましたw

  3. 「興味をもったことはどんどんやったらいい」
    「一度始めたら決してあきらめてはいけない」
    この部分を読んだ時、火曜日の夜9時から放映しているドラマ
    「僕らは奇跡でできている」とリンクしたような気がしました。

    主演の高橋一生さん演ずる一輝は、子供のころから小動物などの生き物に興味を持ち、他の子たちとは違う感性を祖父が拒否せず、その才能を伸ばす手助けをする・・・後に大学で講師を務めるようになって、ちょっと変わった人との関わり方を描く・・・みたいな内容のドラマなのです。(解り難い説明で申し訳ありません)

    昆虫や小動物に興味のある私には、ピッタリのドラマなので
    毎週ハマって観ています。

    水族館でのクラゲ、私は時間を忘れて観入ってしまいます^^

    • よんだーさん、こんばんは♪

      「僕らは奇跡でできている」、すごく興味があります。

      >(解り難い説明で申し訳ありません)

      いえ、すごく分かりやすかったですよ♪
      ありがとうございます。

      調べてみたら、うちで契約しているUNEXTで
      見逃し配信しているみたいなので
      さっそく見てみたいと思います!

      そうえいば、さかなクンのお母さんも
      子供の頃、さかなくんが魚のことばかり調べるのを
      止めずに応援していたという話を思い出しました。

      >水族館でのクラゲ、私は時間を忘れて観入ってしまいます^^

      クラゲを見ていると、なぜか癒されます。
      ずっと見ていたい気持ちになります。不思議ですよね。

  4. おはようございます!
    ブログサークルのトークルームにも
    おたちよりください^^

    • よんだー さんへ

      ブログサークル
      全然ログインしてなくて、すみません(>.<) 伺いますね♪