子供と歩く大阪散歩ノート

先日のローカルニュースに、『大阪市西成区のあいりん銀行、清算終了』という記事が載っていました。

私はこの銀行の存在を知らなくて、「あいりん銀行なんてあったんだ…」とすごく驚くとともに、その成り立ちを知って業務終了を残念に感じました。

もうなくなってしまうので今更知っても…、という感じかもしれませんが、こういうものが大阪にあったんだなぁという備忘録として情報を残しておきたいと思いました。

(ニュース参考・写真転載元『あいりん銀行、清算終了へ 休眠口座に3億円超 「労働者のため使って」・大阪』)

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『あいりん銀行』とは

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『あいりん銀行』というのは通称で、正式名称は『あいりん貯蓄組合』といいます。

大阪市西成区には『あいりん地区(愛隣地区・又の名を「釜ヶ崎」)』という、日雇い労働者さんや路上生活者さんが多く生活する地域があります。

日本で唯一、暴動の起こる街としても有名でした。

住所や電話や印鑑を持っていない人が多いので預金口座を作れない人が多かったんですが、この貯蓄組合はそういう人たちのために昭和37年に設立されました。

労働者さんに貯蓄意欲をもってもらい、その日暮らしの生活から脱却できるようにという、支援者や行政の願いがあったようです。

組合の説明については、ネット上の資料をそのまま転載します。

 「あいりん貯蓄組合(通称あいりん銀行)」は、環境改善地区(あいりん地区)の居住者に対し、勤労意欲を啓発し、自力更生を促進する手段の一つとして、貯蓄奨励を促進する趣旨で大阪市が環境改善施設「大阪市立愛隣会館」における地区対策事業の一環として同会館内に設立したものである。

転載元『大阪市のスラム対策・あいりん貯蓄組合』

住所を持たなくても簡単な預かり証を作ることで貯金可能で、細かく言うと、労働者さんたちから預かったお金を取りまとめて組合長さん名義で金融機関に貯金するシステムだったようです。

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『あいりん銀行』の設立から清算終了まで

『あいりん銀行』の最初の設立は、昭和37年10月。

最初は貯金する人がいるのか疑問視されてたようなんですが、当初の予想に反して貯金に来る人が多く、ピーク時には約11億5500万円の預金残高があったんだとか。

ところが年々日雇い労働者さんが減ってきたため銀行の利用者も減り、平成23年12月に新規口座開設停止、平成24年3月31日に事業廃止が広報されました。

そして今回、令和4年3月31日をもって清算終了となるということでニュースになったというわけなんです。

現在休眠口座が約6万1000口座あり、そこにはまだ約3億2600万円の未精算のお金が残っているそうです。

3月31日までに引き出しされない場合、残ったお金は大阪市の管理となります。

日雇い労働者さんは家族を持たない人たちがほとんどなので、突然亡くなったり、ほかにもいろいろな事情で引き出さずじまいの人が多いんだろうな~と思います。

どのような使い方をされるかはまだ不明らしいのですが、一生懸命働いてまじめにコツコツ貯金されたお金なので、しょーもないことに使わないよう大阪市にはしっかり管理してほしいです。

今回のニュースで感じたこと

ちょっと古い話ですが、大阪ではバブルが弾けてしばらくした頃にいくつかの金融機関(特に信用金庫系)が破綻しました。

バブルで調子こいて不動産がらみで経営破綻したり、行員の巨額不正があったり、本当にひどいものでした。

あと後日談があって、あの時期に取り付け騒ぎが起きて大騒ぎだったんですが、実はひったくり事件や泥棒事件も激増して、街のあちこちに「ひったくりに注意」という看板がありました。

個人レベルでも、ママさんの集まりの積み立てを持ったままドロンする人がいたりw、立ち退きで思いがけずお金をもらった人が羽振りよくなりすぎて逆に貧乏になったりw、バブル崩壊後はほかにもいろんな出来事がありました。

この数十年色々見聞きしてきたので、世の中お金関係でちゃんと無事にお役目を終える集団や組織ばかりではないと痛感しています。

この『あいりん銀行』は誤魔化しも不正も滞りもなく、ただただ労働者さんのためにお役目を終えたんだなぁと思うと、貴重な奇跡のような感じがします。

紙の預かり証とお互いの信用だけで長年ちゃんと成り立っていたんだと思うと、預かる組合の人にも預ける労働者さんにも尊敬の念がわいてくるというものです。

清算や管理には大阪市の税金が無駄に使われているという意見もあり、そこを気にする人の気持ちも分からなくはないのですが。

今回ばかりは、その日暮らしの中でも少しでも積み立てをという人の「向上心」や、それを支えた人の「良心」とか「善意」という側面の方に目を向けたいと思いました。

●oo○ooo●  最後まで読んで下さりありがとうございます。  ●ooo○oo●
この記事が何かのお役に立てたら幸いです!

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コメントありがとうございます!

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  1. そのニュース何かでタイトルだけ読みました。
    そのような業務を行っていたんですね。
    今は、自己責任と言う名の厳しい世の中ですよね。
    そんな中、そのような銀行が閉鎖されてしまうのはちょっと惜しい気がしますね。
    弱者に対する助け…今もそのような名のもとにいろいろの事を実施していますが、何か違うような気がしています。。

    • たたとあさん、こんばんは。
      コメントありがとうございます。

      >弱者に対する助け…今もそのような名のもとにいろいろの事を実施していますが、

      そうなんですよね。
      助けも必要なんですが
      一方通行の助けだけじゃなくて
      教育とかサポートがあれば
      自分で動き出せるポテンシャルを
      持った人が多いのでは…と思ったりします。

      さっき、こちらでも
      けっこう揺れましたが
      そちらは大丈夫でしたでしょうか…。

  2. こんにちは。。

    宵越しのカネはもたない・・・なんていうのが江戸っ子は粋らしく、降る区からそういう流れもあるのかなと思いますけれど、
    あいりん地区で生活されていた多くの方は、実は堅実に考える方が多かったということでしょうか(#^^#)
    3億円強が未精算ということですけれど、こういう預金があるというキモチの担保だけで、日々安心して、預金者のみなさんは、つつましく生活はできていたのかなと思いたいです。。

    カネの切れ目が縁の切れ目とは聞きますけれど、同時にカネの切れ目で人格も変わってしまうのかなと個人的には思います。。
    家計での貯蓄率が高めということが、時折非難されるっぽい日本ですけれど、やっぱりある程度は大事なのかなという気がします(`・ω・´)

    • コスモさん、こんばんは。

      >あいりん地区で生活されていた多くの方は、実は堅実に考える方が多かったということでしょうか(#^^#)

      当初、宵越しの金は持たない人ばかり
      かと思われてたようですが
      (勿論そういう人も多いみたいですが)
      意外に堅実で実直な人が多かったことを考えると
      こういったサポートがなくなるのは残念です。
      日本人はコツコツ貯蓄することを
      子供の時から学んでるので
      大人になってもどこかでちゃんと
      習慣として体に染みついているのかもしれません。
      少額でもたくわえがあると
      安心感や安定感がだいぶ違ってきますものね。

      地震、びっくりしましたね。
      コスモさんはもう寝ている時間でしたでしょう。
      停電とか何もないことをお祈りしています。

  3. こんにちは。。コメありがとうございました(^^)/

    娘はその後、苦労やタイミングはあったのですが、無事塾には入ることができています。。
    ただ、私がみたところ、塾に入ったところがゴールというキモチも残っているようなので、その部分もなんとかしてほしいのですが^^
    塾代は、家内にまかせているので、私はわかりません、、というか、みないようにしています(汗。。

    受験まで1年をきっているのですが、やっぱり今の娘にとっては、高校受験はまだ人ごとです。。
    通っている公立中学校での生活環境もあるのかなと思ってます(;^ω^)

    • コスモさん、こんばんは。

      塾に入れましたか!よかったですね♪♪
      塾に入ったら周りの人が勉強モードなので
      つられて意識が変化するとよいですね♪

      でもまぁ、まだ2年だと周りも
      勉強モードになってないかもしれませんが
      3年生さんの頑張ってる姿を見ることができて
      何か思うところがあるかもしれませんし
      収穫は多いかと思います♪