我が家には、リフォームする時に出てきた、大量の古いガラクタがたくさんあります。
あと最近、今流行り(?)の「実家の片づけ」もしているのですが、やはり古いガラクタがたくさん出てきます。
一体何なのか分からないものもあるのですが、最近、やっと使い道が分かったものや、昔懐かしいものがあるので、調べのついたものから順にご紹介していきます。
やたら重たい塊が押入れの天袋から出てきました。
この物体、見ただけで何か分かる人、なかなか凄いです。
実家を整理中見つけたのですが、あまりにも重たいので、うちの亡き祖父が書道や篆刻が趣味だったこともあり、最初は「(金属の)文鎮かな~?」と思いました。
5.1インチのスマホより少し小さい手のひらサイズですが、飲み物のペットボトルよりも重くて、手に載せるとズシッっと重みがあります。
両親も何か分からないと言うし、真っ黒で汚いから捨てるというのですが、古い物好きの私の血が騒ぎ、そのまま持ち帰りました。
真っ黒の汚い固体を持って私の手も汚れたので、まっくろくろすけな様子を写真に残す間もなく、古い歯ブラシとボディソープで綺麗に洗ってあげると、真っ白な陶器が現れました。
青い文字で「岐阜」「定錘」「かね中」「秤量七●」と書いてあります。
●の所は、当初、読み方が分からないし、手持ちの辞書(子供の漢字辞典)にも載っていなかったので、お手上げ状態でした。
ただ、「錘(おもり)」や「秤(はかり)」の文字があるので、もしや、と思って、重さに関わる用語をネットで検索してみたら、ありました♪
「瓩」という文字で、「キログラム(kg)」と読む漢字でした。
漢字の成り立ちは、「千+瓦=千瓦(せんぐらむ)」で、1000gは1kgなので「瓩(きろぐらむ)」ということのようです。
私は今回初めて知ったのですが、この手の重さを表す漢字が他にもたくさんあったので、参考までに載せておきます。
瓱 (ミリグラム)
甅 (センチグラム)
瓰 (デシグラム)
瓧 (デカグラム)
瓸 (ヘクトグラム)
瓩 (キログラム)
瓲 (トン)
で、この物体は「秤量七瓩(ひょうりょうななきろぐらむ)」、つまり「重さ7㎏」ということで、これは重り(錘)か分銅みたいなものかもしれないうことで、「おもり 陶器」で画像検索をしたら、たくさん出てきました。
でも、このおもり、「7キログラム」と書いてある割に、7キロも重さがないんです。(ペットボトルよりは確実に重いんですが。7キロないのに「七瓩」と書いてある理由は今回分からなかったので、引き続き調査します。)
しかも、陶器なんて落としたら割れてしまうのに、どうして「金属のおもり」じゃなくて、あえて「陶器のおもり」なんでしょうか。
さらに突っ込んで調べてみることにしました。
戦時中、数年限定で使われていた陶器製のおもりと判明
一番最初に見つけた、千葉県千葉市のホームぺージの分かりやすい説明を引用させてもらいます。
陶器のおもり:戦時中金属不足のため、その代用品として開発されました。戦時中の陶器製のため割れて壊れているものが多く、現存するものは非常に少なく珍しいものです。、その代用品として開発されました。戦時中の陶器製のため割れて壊れているものが多く、現存するものは非常に少なく珍しいものです。
あと、「東洋軽量史資料館」HPの、分銅コレクションのぺージに、フルラインナップで紹介されていました。
【品名】陶器製おもり
【用途】昭和20年頃(1942~1945年)
【用途】「陶器製おもり」という名で、紡績工場の現場で使用されていた
【要旨】戦時中金属不足のため使われていた陶器製のおもり。紡績工場の現場にて使用されていたので無検定品。
先の大戦中、日本では『金属類回収令』という勅令が出され、ありとあらゆる金物が回収されました。(参考:Wikipedeia「金属類回収令」)
戦争のドラマで、武器を作るためという名目で、銅像やお寺の鐘が取り外されて持ち去られていたのが、戦争終盤になると、家庭のお鍋や作家さんの万年筆なども供出させられてしまう戦況の切迫感を感じるシーンなどがたまにありますが、まさにアレですね。

当時世界最大と言われた大梵鐘もここから供出されました。四天王寺・大釣鐘堂(現・英霊堂)
その時、金属製品に代わって、陶器製のものが色々と出回っていたそうなんです。
これ(勅令)を受け、当時は、いわゆる「代用陶器」が開発流通した。当初は通常の陶磁器の域であったが、製造時に、ベークライトなどを混ぜることにより、鉄器のような強度を持たせることに成功した。
今回見つけた「おもり」もそうですし、他には、アイロンや煙管(きせる)、水筒やガスコンロ(のバーナー部分)なども出回っていたそうです。
あと、終戦を迎えたため、流通するまでに至りませんでしたが、陶器製の硬貨も試作&製造段階までいっていたんだとか。

あの「通天閣」も当時、金属拠出のため解体されました。
ドラマや映画では、金属が回収されるシーンはよく見ましたが、陶器製のものが代用品として市中に出回ったところまでは、細かく描かれていませんでしたが、当時はそんなことがあったのですね・・・
いや~。一つ勉強になりました♪
ヤフオクで売られているのを発見!
前出の千葉市のHPの説明では、「現存するものは少ない」と記載されていたんですが、検索してみると、ヤフオクに出品されまくりでしたwww
コンディションにもよりますが、1個2~3000円位で売られて、現金な私は思わず瞳が円マークにwww
もし私がマメな人間だったら、ヤフオクに出品して小銭を稼げていたかもしれないんですが・・・
あいにく、面倒くさがりなのに加え(汗)、何よりも古いものが好きなため、オークションへの出品はありません。
子供に「あと数十年したら、更に貴重になってるかもしれないから、ママの遺産として大切に置いておくね♪」というと「安っすい遺産やな~」と呆れていました。
…ということで、実家から出てきた無駄に重たい文鎮みたいな塊は、「戦時中、金属不足のため、わずか2~3年の間だけ流通した陶器製の錘(おもり)」と判明しました。
実はまだ、他にも、しょーもない小物がいろいろと出てきています。
が、今流行りの「実家の片付け」ですが、一筋縄ではいかない大仕事で、かなりエネルギーを持っていかれて、遅々として進みません。
何にエネルギーを持っていかれるかというと、物の量はもちろんですが、両親世代の人間との価値観の差による意見の不一致により揉めたり、なかなか作業が進まなかったり、の問題が大きいです。
これって、けっこう「実家の片付け・あるある」みたいで、私の場合は、実家に近い場所に住んでいるのと、一人っ子というので、まだ恵まれている方みたいなんですね。
でも、こんな恵まれた立場の私でも、現状困難を感じつつ、尚且つ、将来的な不安も消えないままでいるので、実家から遠く離れた場所に住んでいる方や、兄弟姉妹がおられる方は、どんなにか大変なことだろうな~と思うのです。
親ともめずにできる これがリアルな実家の片づけです。 <Amazon>
なので、実家の片付けに関する「親世代との価値観の差」や「親が健在の内に片付けに着手するメリットや逆にデメリット」みたいなことを、今後、自分の体験談&雑感と織り交ぜて、折にふれ記事として綴っていけたらと思っています。
誰得の記事やねん!って感じですが、とにかく大変なんです(汗)。別に実家が「汚屋敷」って訳じゃなく、むしろ普通に小ぎれいに片付いた家なんですが、とにかく物・物・モノがいっぱいで・・・
でもまぁ、とにかく「少しでも楽しもう♪」ということで、こんな古いガラクタに興味のある人もなかなか少ないかもしれませんが、折に触れ、調査が済んだ物から、ちょっとづつご紹介していきたいと思います。
コメントありがとうございます!
こんにちは!
重さを表す漢字があったんですね。
瓦を取ってみるとピンときますね。
片手で軽そうに持たれてますが、7kgなんですか??
それとも、りんママさんが力持ち??(笑)
たたとあさん、こんにちは。
>片手で軽そうに持たれてますが、7kgなんですか??
>それとも、りんママさんが力持ち??(笑)
そうなんです!
7キロって書いてあるのに
7キロないんですよ。
この疑問を解消するべく
色々調べたんですが未解決で・・・
でも、普通「コイツすげー!片手で7キロとか!」
ってなりますよねwww
本文に、実は7キロもない旨
追記しておきますね♪
あと、どうでもいい情報ですが
抱っこマンの巨大児を育てた関係で
一応体格の割に力持ちではありますwww
こんにちは。。
家のかたづけをしていたら、ホコリをかぶった陶器の固まりに興味をもち・・・
そこから、まさかの戦時中の日本の金属事情へと話が発展していくなんて、ビックリですし、おもしろいですよね^^
もしかしたら、陶器の硬貨が登場していたかもしれないなんて・・・もし登場していたら、破損が怖くてなかなか使えないです・・・って、戦時中は、それどころではないでしょうけど。。。
さらには重さをあらわす漢字も勉強になり、実家のお片づけ、なかなか有意義なことになっていますね~♪
そういえば、あのサッカーの本田選手が、この前ツイートしてました。。
たしか、~難しい決断は、何をするかよりも、何をしないかをきめること~~的な。。。
いろんなお宝が出てきて、調べるのは楽しいと思いますけど、これはいい、コッチは後回し・・・的な判断、難しいですけど、けっこう大事かとは思います^^
コスモさん、こんにちは。
陶器のお金って持ち運びとか
取扱いにすごい気を使いそうだし
今もあったら、スーパーのレジの人とか
毎日大変だったろうなと思いますwww
>調べるのは楽しいと思いますけど、これはいい、コッチは後回し・・・的な判断、難しいですけど、けっこう大事かとは思います^^
そうなんですよね。
優先順位とか順番の考え方も
親と子では全然違うし
懐かしいものが出て来たら手が止まるし
かなり長い時間がかかると思うのですが
全然作業計画とか優先順位のガイドラインが
作れなくて、先が不透明なのが困ったものです。
>~難しい決断は、何をするかよりも、何をしないかをきめること~
しなくていいこと、いっぱい心当たりありますw
私は手を付けたいけど、親が手を付けたくないところがあるので
そこはもうあきらめて、手をつけないでおこうと思います。
でも、この考え方、お片付けだけじゃなくて
人生全般のあらゆるシーンで、大切にしたい格言ですよね。