子供と歩く大阪散歩ノート

今年1月の「大阪国際女子マラソン」の日に、「三光神社」に来た時、観光で来たであろう人がワラワラ一杯おられたんですが、ほぼ、9割方の人が、三光神社「だけ」観て帰ってしまうのを目の当たりにし、非常にもったいなく思いました。

「三光神社」の裏手はさらに標高が高くなっていて、三光神社よりもむしろ、もっと西側の方が、いわゆる「真田丸」と言われる場所に、リアルに近いはずなのですが・・・。

そして、ちょっと分かりにくい場所なんですが、ここには、昔の陸軍の軍人さんの墓地があるんです。

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真田山陸軍墓地についてご紹介

墓地というと、おどろおどろしい感じがするかもしれませんが、この『真田山陸軍墓地』は本当に穏やかで、心安らぐ場所です。

もう少ししたら、桜も咲くと思うんですが、墓地に住み着いている、人懐っこい野良ネコちゃんもたくさんいます。

真田の抜け穴から、さらに、ほんの5メートル先の、「宰相山公園」の横手に、このような階段がありますので、ぜひ、ここを登って、訪れてみてください。

階段を上りきると、そこは『真田山陸軍墓地』という場所で、大阪市のど真ん中の超一等地にあって、 タワーマンションや、ビル、学校に囲まれた、別世界のように静かなで平和な空間が広がっています。

現在では、こんなに整然と管理されている軍人さんの墓地は少ないんだそうで、荒れ放題になっている陸軍墓地が新聞などで取り上げられることもあるほどです。

ここの『真田山陸軍墓地』は、長年、有志の方々のご厚意で維持管理されているようで、ありがたいことです。

参考記事:産経WEST“廃虚化”する軍用墓地、英霊を祭る「歴史遺産」として残せるか…遺族高齢化で分岐点

お墓は、西南戦争、日清・日露戦争の時代から、太平洋戦争のものが中心。

仕事内容や、階級ごとに、お墓の場所が分かれていて、奥に行くほど、将校さんのエリアになり、お墓も大きく立派になっていきます。

将校さんのお墓にも、自由気ままな猫たちがいて、人慣れしているのか、私の顔をじぃ~っと見つめます。2匹一緒にいたので、「あんたら、顔一緒やな。家族やろ?」と話しかけたら、「にゃ~♪」とお返事してくれました(笑)

この墓地に埋葬されている人たちの最期について

ここは、現在の大阪市中央区大手前にある、大阪OMM(マーチャンダイズマート)の向かい、大手前病院と、大阪歯科大学病院のあたりにあった、当時の「大阪陸軍病院(大阪陸軍衛戍病院)」で亡くなった兵隊さんを、埋葬する場所だったようです。

それにしても、驚いたのは、ここに祀られている方々は、戦地での戦いで命を落としたのではなく、病死の方のお墓がほとんどなこと。「病死した人多すぎ!なんでかな?」という疑問を持ったんですが、分らないので、一旦帰宅しました。

で、帰ってきてから調べると、日清・日露戦争当時は、戦争で亡くなった兵隊さんよりも、病気で亡くなった兵隊さんの方が多かった、ということが分かりました。

主に、『脚気(かっけ)』という、昔のドラマでよく出てくる、ビタミンB1が欠乏して起こる病気が原因だったようですね。

ただの栄養不足のようでいて、当時は、最悪死に至る病だったようで、分かりやすい資料がありましたので、引用させていただきます。

日清戦争(明治27年)では4万人を超える脚気患者がでて死者が4千人ちかくもあり、日露戦争では25万人もの脚気患者がでて戦傷病死者4万余人のうち病死者が3万人を占め、病死者の多くは脚気心によるものだったとされています。

公益財団法人 日本心臓財団HP:『銃弾よりも多くの命を奪った脚気心』より

大阪の陸軍病院も、一つでは足りず、分院が作られたり、近隣の日本赤十字病院にも患者さんを送るほど、病気の兵隊さんが多かったようで、『脚気』の原因がはっきりと特定されるまでは、かなり深刻な問題だったようです。

原因の分かってる現代なら、「アリナミンAでも飲んどきや!」で済む話なんですけど、 食べ物に困ってない、徳川の将軍、13代・家定も、14代・家茂も、脚気を患った位なので、栄養素の不足で起こる病気だ、ということに思い至るまでには、長い時間がかかったようです。

家定や家茂も、精製されたお砂糖入りのお菓子とか、白御飯とかばっかり食べていたのが原因だと言われているんですが、余談ですが、『脚気』が死語になった近年、菓子パンやスナック菓子ばかり食べている若い人に、『脚気』が復活しているようですね(驚)

<真田山陸軍墓地の由来の碑 >

話を戻すと、一つ一つの墓標をみていくと、ここには、清国(中国)や、ヨーロッパ(ドイツなど)の兵隊さんもお祀りされていることが分かります。

靖国もそうなんですが、真田山の墓地も、日本人だけでなく、外国人も一緒に祀られているんです。日本人は、こういうことを、殊更に自己主張するのをよしとしない風潮があるのですが、もっとキチンと、堂々と胸を張って、自分たちの想いを表明できる場を設けないと・・・

別に、外国の人もわけ隔てなくお祀りしてるんだから、仲良くしようよ、という媚や恩を、外国に売りたい訳じゃなくて。

なんというのかなぁ~。表現が難しいけど・・・

誤解を恐れずに言うと、いつまでも、「あれが悪い」「これが正しい」とか、「そっちが負け」で、「こっちが勝ち」とか、言ってないで、お互い、もっと違った生き方や、物の捉え方もあるんじゃないかな、と。

だって、亡くなった方は、本当に穏やかなのに、生きてる人の方が生々しくて怖いんですもん。みんな一緒に眠っているこの地は、こんなに穏やかで清らかな場所なんですよ・・・ 、ほら↓

とは思うけど、じゃあどうしたらいいん?と言われると、まったく方法が思いつかないので、こんな場で細々と、個人的に書くしかないんですけどね・・・(恥)

なんか、最後は、柄にもなくマジに本音を語ってしまいましたが、 真田山には、こんな場所があるんだよ、というご紹介でした♪

 

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