こどもと歩く大阪散歩ノート

昨日ご紹介した、『ビックカメラなんば店』とその周辺は、その昔『千日デパート火災』のあった場所で、実は、知る人ぞ知る、大阪市内最大&最恐の心霊スポットなんです。

今日はいつもと趣向を変えて、心霊スポットと言われるきっかけとなった悲しい昔話について取り上げたいと思います。

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昭和47年の千日デパート火災について

『千日デパート火災』は、先週の『奇跡体験!アンビリバボー 国内災害 2時間SP』で放映されていたので、ご覧になった方もおられると思いますが、40年以上も昔の出来事ながら、未だに国内史上最悪といわれる火災で、118人もの方が亡くなりました。

当時、人が飛び降りるショッキングな映像が中継で放映されてしまったとかで、飛び降りて亡くなった人ばかりクローズアップされますが、実は飛び降りた人よりも、煙(有毒ガス?)に巻かれた人の方が圧倒的に多いです。

こんなに沢山の人が同じ時・同じ場所で一酸化炭素中毒で命を落とした事故は、日本では他にはない、と言われているそうです。

以来、千日前周辺では、幽霊や怪現象の噂が絶えず、もっと昔の江戸時代に、この辺りが刑場や斎場や墓場だったこと、そして『明治の大火』や『大阪大空襲』により、何度も繰り返し火災にあっていることから、より一層、ドラマチックに都市伝説化しています。

中でも『千日デパート』の跡地に建てられたビルにできた商業施設『プランタンなんば』と、現在の『ビックカメラなんば店』の怪談話の多さはダントツで、この夏の暑い時期になると、決まってどこかで囁かれる怪談話のネタになります。

特に、タクシーにホステスさんを乗せたら途中で消えた、とか、アーケードの辺りでド~ンという落下音が鳴る、とか、お客さんが入ってきたなと思ったらいつの間にか消えた、とかは、小学生の頃から、耳にタコができるほど何回も聞いて、もうお腹一杯って感じです。

↓ピンボケですみません。ビッグカメラの玄関前から、上にあるアーケードを映した写真です。(私的には、建て替えられた新しいビルよりも、当時のままのアーケードが残っている方が、不気味に感じるのですが・・・)

この千日前エリアの前身は、『千日墓地』と言われる場所で、江戸時代の大坂に7か所あったといわれている、いわゆる『大坂七墓』のうちの一つです。

実際に、明治の初めまで、お墓・斎場・刑場として機能していました。

冒頭の写真を参考に説明すると、千日前のアーケードを挟んで、左手にあるアムザの辺りが刑場・仕置き場と獄門場、右手にあるビックカメラは墓場だったという記録が残っています。

千日デパートの火災は、私は直接リアルでは知らないのですが、千日デパートの建物は、私の子供時代まで取り壊されず、工事用の囲いがされたまま、ず~っと廃墟のまま存在していました。

父が、お休みの日に難波に行くのが大好きで(映画や芝居が大好きな人でwww)、しょっちゅう父に連れられお出かけしたものですが、千日デパートの廃墟の前を通るのは、不気味ですごく怖かったのだけは、うっすら記憶しています。

だから、今でも、潜在意識的になんとなく物悲しく、不気味に感じちゃうんだ、と思っているんです。

↓かつての刑場跡に建つ『アムザ1000』の、吹き抜け2Fからの光景

でも、この火災で一番恐ろしいのは、もう死んでいる人の幽霊ではなく、非常時における「人間の集団心理」と「パニック時における異常心理」だと思うんです。

いくつも出口があるのに、一人の人が向かった出口に一斉に殺到したり、一斉に団子になって動き回って身動き取れずに煙に巻かれたり、壊れるはずのないブロック塀の壁を、こぶしで叩きながら同じ場所で亡くなった人が多数いたり、袋小路だと分かっていながらトイレに逃げ込んだり、助かるはずがないのに、商店街のアーケードに飛び降りたり・・・。

特に個人的に興味深いのは、人は非常時になると高さの感覚がマヒするらしく、「飛び降りたら助かるかも・・・」と錯覚しちゃうということ。

当時は、アーケードに飛び降りた人が多かったらしいんですが、普通に考えたら、いくらアーケードといっても、7階の高さから飛び降りたら助かりっこないと思うんですが、非常時には、そういう不思議な心理が働くそうなんです。

で、もっと怖いのは、ほかの人が飛び降りて、アーケードを突き破って地面に落下しているのを目の当たりにしてもなお、「あの人よりもっと上手に飛び降りたら、自分は助かるかも」と思っちゃうらしく、人間の脳って、不思議ですよね・・・。

この火災で人がたくさん亡くなったのは、非常に痛ましい出来事でしたが、「パニックの心理学」や「災害時の心理学」の研究や、その後の「消防法」や「建築基準法」の改正に大きな影響を及ぼした火災でもありました。

貴重な経験と学びを、大きな犠牲を払って得た出来事だったので、決して「特別運が悪かった火事」とか「刑場の跡地で起こった因縁の事故」とかで、興味本位で茶化して終わらせたくないですね。


きちんと逃げる。―災害心理学に学ぶ危機との闘い方

千日デパートにまつわる怪奇現象のほんとのところ(私見)

千日デパート跡地周辺での怪奇現象については、当時亡くなったホステスさんの多くが、子供を持つ母子家庭のお母さんだったり、子供を持つ家庭のバイト主婦だったりした人が多かったんです。

だから、子供を残して不慮の死を遂げた無念(しかも母の日の前日というタイミング)に、生きている人々が思いを馳せてしまって、都市伝説が拡大してしまっているのでは、と、私は個人的に考えています。

だって、「千日デパートの前で乗った家路を妙に急ぐ女性客」を乗せて26号線を走っていたら消えたというタクシーの運転手の都市伝説が、バリエーションを変えていくつもありますが、「嫁に残業だと嘘をついてキャバレーに行ったばっかりに火事で命を落とした男性」の幽霊が出たって、聞いたことないんですよ。

ストーリー的に、あまりドラマチックじゃないし、「嫁に嘘をついたまま死んでしまって悔恨の念に苛まれるオッサンの幽霊」だと、ビジュアル的にも美しくないですもんね(笑)

やはり人は、心に強く突き刺さるドラマチックな何か、を求めていると思うんです。


煙に斃れた118人―千日デパートビル大惨事から30年 

結局、心霊スポットって、今生きている人たちが「ここは心霊スポットだ」と意識しているから、実際にその場所が心霊スポットになるんだと、私は解釈をしています。

つまり、そこで人が死んだから、という理由じゃなくて、多くの人がそこで死んだ人に思いを馳せるから、実際に心霊スポットになっちゃうんだ・・・って。

なぜなら、今、無人の月面で幽霊が出たとして、それを見ている人間が月面に一人もいなかったら、幽霊が出たという事実は、ないことになりますよね。

幽霊が出た、という出来事は、「目の前の幽霊を観察する人間」がいて初めて、現実の話として成立することになります。

だから、意識するか、しないかで、同じ場所も、ある人には心霊スポットになっちゃって、またある人にはフツーの場所になるんじゃないかなぁ~って。

実際、千日前が心霊スポットだと知らない中国人観光客は、ビック・カメラで超楽しそうに、活き活きと爆買いしてますしね(笑)

だから、観光客の方がこの地を訪れることがあれば、いたずらに恐れず、観光やショッピングを楽しんでほしいな~と思っています。

怖い心霊スポットとして期待一杯&興味本位で訪れるのか、亡くなった方への追悼や尊重の気持ちは持ちつつ、粛々と自分の用事&観光を済ませてサラッと通り過ぎるのか、によって、目の前で起こる現象にかなり差が出る、と私は思いますよ。

この日も私たちは、刑場跡のアムザ2Fにある『びっくりドンキー 千日前店』で、ハンバーグカレー・プレートを美味しくいただいて帰ってきました♪

今生きている自分たちが、精一杯楽しく生きることで、悲しい記憶を保持する土地への供養になるんじゃないかな~、なんて思っている私です。

・・・なんて感じで、番外編のくせに本編をしのぐ力の入れ具合で、長文の記事になってしまいましたが(笑)、番外編はこれにて終了。

結局、人がこの地を「悲しいことがあった土地だ」という目で観察し続ける限り、ここ千日前は「心霊スポット」という役目を果たし続けるんじゃないかな?、ってことで、お後がよろしいようで・・・。

次回は、本編に戻って、【その3】の日本橋でんでんタウンの、トレカのショップめぐりのお話です♪

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コメントありがとうございます!

コメント

  1. こんばんは。過去記事に反応してしまってすみません。
    千日前といえば、千日堂のCMを思い出してしまいました。りんママさんは若いから知らないかな。
    随分前にプランタン難波のあたりをぶらぶらしたことがありますが、あの建物はあんまりいい感じがしないなあ、と思ったことを思い出しました。火災があったのは知ってましたが、地理的なこと全然知らなかったので。そういうことだったんですね。大変、興味深い記事でした。

    • hiroさん、こんばんは。

      >こんばんは。過去記事に反応してしまってすみません。

      いえいえ。実は、この記事は、アップしてから1年以上もたつのに
      当ブログで、常にアクセス・トップ10に入り続けている記事で

      いつか、もう一度、違う切り口から記事にしたいなと
      丁度、企画(?)をあたためている最中でしたので
      今回、この記事をお目にとめていただき、とても嬉しく思っています。

      >りんママさんは若いから知らないかな。

      私、全然若くないですよ~(汗)
      1970年代生まれの昭和人ですwww

      hiroさんのブログ記事を読ませてもらって
      「わぁ、懐かしい♪」と思うことが多いので
      多分、ほぼ同世代だと思われます。

      ただ、千日堂のCMというのは初めて聞きまして
      先ほど調べたんですが、千日デパートの裏あたりの
      レストラン(食堂?)なんですね!

      私の子供時代は、プランタンの高速を挟んだ
      筋向いにあるお店(飲み屋さん)のCMの歌を
      「雨が降ってもサンサンサン~♪」って
      男子がよく歌ってる時代でした。

      あとは、千日前じゃないんですが
      「京橋は♪ええとこだっせ♪♪」みたいな
      グランシャトーのCMソングとかですね(笑)

      >あの建物はあんまりいい感じがしないなあ、
      >と思ったことを思い出しました。

      例えば、流行らなくて閉めたお店の後に入ったテナントが
      やっぱり流行らなくて、また店を閉める、みたいな現象がありますが

      何度も火災に見舞われる場所、というのも
      もしかしたら、何かあるのかもしれませんね。

      あと、千日前が、今のような繁華街になって数十年なのに比べ
      刑場や墓場だった時期の方が、圧倒的に長いので(約300年)
      同じ繁華街なのに、道頓堀とは全然雰囲気が違うのも不思議です。

      科学の発達した現代でも、説明のつかないことが
      たくさんあって、色々と興味深いですよね。

      長い記事でしたが、最後までお読みいただき、ありがとうございました(^o^)

    • りんママさん、こんばんは。
      千日堂はCMを見ていただけで行ったことはありませんが、食堂ですね。
      くいだおれに、千日堂、パルナス、いかるが牛乳など、大阪のCM懐かしいです。サンのCMも覚えてますよ!

      ところで、墓地の跡地は商売繁盛するって聞いたことがあります。
      実は父が大阪で務めていた会社がそうだったらしく、そんな話をしていたのを思い出しました。千日前もそれで商業施設になったのかな、と思ったり。だけどあの辺り、ちょっと陰な感じがするのですが・・・。
      では、違う切り口の記事も楽しみにしています。

    • hiroさん、こんばんは。

      「パルナス」、懐かしい・・・(笑)

      >ところで、墓地の跡地は商売繁盛するって聞いたことがあります。
      >実は父が大阪で務めていた会社がそうだったらしく、

      私も聞いたことがあって、え~本当かな?と思っていたんですが、hiroさんのお父様が実際に経験されたということは、本当なんですね~。不思議なお話ですよね。

      >千日前もそれで商業施設になったのかな、と思ったり。

      なるほど・・・。そうかもしれませんね。
      実は私も、そこのところが気になって、またの機会に、もう一度千日前の記事を書いてみよう、と思っていました。

      タイムリーな学びをありがとうございますm(_._)m

      >だけどあの辺り、ちょっと陰な感じがするのですが・・・。

      ですよね・・・
      あんなにキラキラ&ケバケバしいお店がいっぱいなのに、全然陽気な感じがしないから不思議です。

      >では、違う切り口の記事も楽しみにしています。

      ありがとうございます。早く取り掛かれるよう、頑張ります♪(^o^)