今朝に飛び込んできた、軽井沢でのスキーバス事故のニュース。
夜行バスを使って、平日からスキー旅行に行くのは、10代・20代の若者が多いと思うのですが、できれば将来あるお子さん達でありませんように・・・と願いながら出勤しました。
が、夜になってみて、ほとんどが19~22歳の学生さんであることがわかり、子を持つ親として、かなり凹んでしまいました。
事故を起こしたバス運行会社は、行政処分を受けて、バスの運行停止処分を受ける直前だった上に、事故を起こしたバスも、決められたルートを通っていなかったようで、亡くなった乗客には何の落ち度もなかったと思うと、何とも表現しがたい、大変後味の悪い事故です。
で、ここで個人的に出てきた疑問なのですが、旅行ツアーを検討する際、交通手段が貸切バスだった場合、そのバスを運行する会社が、きちんと法令を遵守している、信頼できる会社かどうか、調べる手段はないんだろうかと・・・
参加検討中の旅行に使われるバスが、安心できる会社のものか、調べる方法は?
早速、私的に一番よく利用する楽天トラベルの、高速バス&バス旅行ページを、実際に旅行を検討してみるつもりで、見てみました。
まず、ざっと見たところ、安全基準を満たしているかどうか、調べるヒントになるものが、2つありましたので、その説明から・・・
(1)『貸切バス事業者安全性評価認定制度』の認定を受けているかどうか
(2)行政処分を受けた履歴があるかどうか
楽天トラベルでは、この2点について、私たち一般の人間にも、調べられるようになっていました。
(1)については、 『公益社団法人 日本バス協会』という団体が主催している認定制度なのですが、報道によると、今回事故を起こしたバス運営会社は、認定を受けていない以前に、認定の申請もしたことがなく、そもそも協会自体に所属していなかったそうです。
設立して2年の会社なので、設立3年以上の資格を満たせなかったから申請しなかったのか、それとも、申請する意志自体が元々なかったのかは、今は分かっていません。
ちなみに、この評価制度で一定の認定を受けると、ホームページや、パンフレット等に認定マークを掲載することができ、バスの車体にも認定ステッカーを貼ることができます。
ちなみに、こんなステッカーです。
(2)については、後程再度取り上げますが、国土交通省が、バス・トラック・タクシーなど事業用の車の行政処分情報を公開していて、私たち一般の人間も、情報を参照することが可能になっています。
ネット通販のバス旅行ページを使って、参考情報を実際に探してみました。
では実際に、楽天トラベルのページを見ながら、自分が乗るであろうバスの運営会社の安全管理面の状況を、チェックしていきたいと思います。
東京から、南紀白浜まで、寝ている間につく、という触れ込みが、個人的にとても気になりましたので(東京から、南紀白浜まで、乗りかえなしで行けると、今日初めて知ったので)、こちらのページを、取り上げてみます。
上記ページの左サイドバーの、高速バス外観と、内装のイメージ写真の下には、こんな情報がありました。
上から3項目に、【商品名/運行幹事会社】とありますが、ここには、ツアーであれば、ツアー主催会社が、高速バスであれば、その高速バス会社の名称が入っています(このページでは、「西武観光バス」)。
では、今回知りたい情報である、『バス運行会社』について、実際に見ていきます。
【利用予定運行会社】
ここには、予定されている、バスの運行会社の名称が入ります。
このページの場合、「明光バス」「西武観光バス」と記載されていますが、楽天トラベル内の他のページではここの欄が「未定」になっている場合が、かなりありました。
なので、バス運行会社が決まっていて、ちゃんと記載されているのは安心ですね。
そして、前述した、『貸切バス事業者安全性評価認定』の状況と、『行政処分情報』は、ここで調べることができます。
サイドバーには「『貸切バス事業者安全性評価認定制度』認定事業者には、事業者名の最後に★を記載しております。」って書いてあるんですが、「明光バス」にも「西武観光バス」にも、★の記載がありません。
両方とも、それぞれの地元では名の知れた会社ですので、認定を受けていないとは少し考えづらく、念のため、バス会社の公式サイトに行って確認しました。
結果、「明光バス」は★1の認定、「西武観光バス」は、最高位★3の認定を受けていることが分かりました。
こんな風に、情報漏れの場合があるので、気になるようなら、公式サイトまでチェックしてみるとよいと思います。
行政指導も検索しましたが、営業許可を受けている日本中のバス運行会社の、過去3年間にわたる指導内容を、行政処分の日時・理由から、受けた処分内容まで、かなり詳細に見ることができますが、今回どんな内容が出てきたかを、ここで記載していいのかどうか分からないので、これは控えます。
【運行会社任意保険内容】
どうしても、「プロなら任意保険に加入していて当たり前」という思い込みがありますが、ここは思い込みを外して、要チェックの欄ですよね。
ちなみに、今回の東京・白浜間のバスは、対人無制限の任意保険に加入しているそうです。
【運行距離/予定所要時間】
あらかじめ、ちゃんと決まってます。
ここの距離と時間と、ページ上の方にある乗務員の人数情報は、きちんとチェックした方が、よさそうです。
ちなみに、このバスの乗務員の人数は「2人」でした。
【お客さまの声】
サイドバーの位置関係が前後しますが、一番上の方に『お客さまの声』という場所がありますので、最後にここの口コミをチェックしました。
実際に乗車した人から、比較的定刻通りに運行されること、車内説明が分かりやすいこと、連休は予約が取りにくいこと、に関する情報を得ることができました。
今回、軽井沢で事故を起こしたバスは、休憩場所や時間の説明や、シートベルトの説明が、お客さんに分かりにくかったらしいので、「車内説明が分かりやすい」というのは、一つの安心材料になりますね。
でも、そもそも【バス運行会社】が事前に分からないと、情報の検索ができないんですよね・・・
以上、こんな風に、ざっとチェックすることができ、このページの『東京~和歌山・南紀白浜』の高速夜行バスは、命を預けてもよいバスだろうという判断を、私はしました。
でも、大学生の子たちが、旅行を選ぶ際、こんな細かいところまで見るとは、とても思えないし、大人でも見ないと思うんです。
かくいう私も、貸し切りバス専用の認定制度や、行政指導の情報公開があると知ったのは、今日なので。
今回の学生さんたちも、きっと、学食とかファーストフード店とかで仲間で集まって、みんなでパンフレットを囲んで、あーでもない、こーでもないと、限られた予算とツアー価格を見比べながら、楽しく選んでいたんだろうな・・・と思うと、何とも言えない思いがしてきます。
で、さっき気づいたんですが、『バス運行会社』が事前に分かっていれば検索できますが、『未定』の場合は、検索することすらできない、というそもそも的な問題もあります。
今回の一例は、運行会社が記載されていましたが、事前の下調べでは、ここが『未定』のツアーがとても多かったんです。
ということで、情報公開の仕組み自体は整いつつあるけれど、まだまだ、発展途上なのかもしれない、と感じました。
悲しいことではありますが、大きな事故が起こる度に、検証と改善が重ねられていくので、今回のことを教訓に、さらに検証と改善を繰り返し、将来的には、もう少し情報の精度が上がることを、個人的に希望します。
コメントありがとうございます!
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